0.9mmの時代

 今、シャープペンシルというと速記用や製図用を除いては0.5mmの芯が多いですが、ぺんてるが芯を油で揚げて強化するという発明をするまではそれより太い0.9mm芯が主流でした。写真はないですがこれより前の戦前の時代はは早川式繰出鉛筆に代表されるような金属製の重厚なものになります。芯も1ミリ以上の太さが多いですね。でもあまり普及はしていませんから昭和30年代初め頃までに学童期を終えた世代の人は、昔のシャープペンシルの思い出と言うのがあまり無いようです。

2006.10.15

 


(1)マスター

300円と350円のマスターの繰り出し式シャープです。マスターの万年筆はよく見かけるのですがシャープは貴重かもしれません。口紅のようにひねって芯を出すタイプです。

(標)

(2)三菱鉛筆

 価格は不明ですが400円前後でしょう。筆記具にはデザイン的な流行があり、各メーカーでそっくりな製品があります。これも軸を回転させて芯を出します。

(室)

(3)ぺんてる

 これはノック式のホルダータイプです。昭和30ー40年代はシャープリ代わりに芯ホルダーを使用する率も高かったようです。学研の「サム」などを使用した人も多いですね。こうしたホルダータイプも当時の流行なのでしょう。

(富)

(4)メーカー不明 

 上と同じくホルダータイプのシャープです。トンボ鉛筆製品の多い店だったのでひょっとするとトンボかもしれません。まだ、本体に文字を刻印する技術が未熟だった時代と思われます。そうした時代の製品は金具に文字刻印されていることが多いです。また、一流メーカー品でもシールに値段とメーカーが表記されていることが多く、それがとれるとわからなくなってしまいます。

(帯)

(4)各メーカーの芯 

 0.9mmの芯です。メーカー名が書いていなくて詳細不明のものが多いです。「三角」なんていうのもありますね。右上のものは定価20円ですよ。左の「ぺんてる」は0.9、0.7、0.5、併用時代のものです。12本で50円から18本で100円に値上がり?。左下は「MAGIC」。右下は「NAC-JET SHARP」 と書いてあります。最初は銀色のシールで、時代が下るとプラ本体にやたらと文字刻印するようになります。レトロですね。コンパスの芯と紛らわしいです。

(新・厚)



2005.10.14

文具資料室に戻る

戻る