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実際、文具店でコーリン鉛筆を探していると「Hi-pierce(ハイピアス)」はたまに見るのですがこの「pierce(ピアス)」にはなかなか巡り逢えません。
このブラケースは古いタイプで、透明の蓋を開いて開ける方式です。消しゴム等の付属品はありません。
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本来、ハイピアスと似た塗り色のようですが、これは「青」色の芯ということで、青い軸色になっています。
かなり古い商品のせいか、銀箔がすごい「ポロポロ」して剥がれやすそうです。当時の高級鉛筆には珍しく、レッド・グリーン・ブルーの三色が用意されていました。今でもそうですが、ノーマル鉛筆そのもののブランド名で色芯というのは珍しいです。普通は朱藍や色鉛筆として別の商品名で発売することが多いですね。
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什器のページでも紹介しましたが専用のものです。かなり珍しいです。No.3030というのは、ウグイス色のNo.3030と同じ品番ですが、品物は違っています。この品番重複の謎ですが個人的には「価格設定」と関係していると思っています。シャープなどの他商品もそうですが、{3000}は30円を意味し、この当時は一本30円の主力鉛筆は「ピアス」で「ハイピアス」は50円(NO.5050)でした。後のウグイス色の3030は同じウグイス色の2020(頭付けが無いタイプ。一本20円?)の後釜で、これが出回った頃には「ピアス」は廃番になっていたので、一本30円の主力鉛筆として「3030」を名乗ったのではないかと思います。
ピアスの硬度のラインナップは「4B」から「4H」までの各硬度と「赤・青・緑」である。
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こちらは新しいタイプのケースです。軸色がハイピアスと同じになっています。硬度表記も「カラーベルト」方式です。当時の事務用鉛筆は「HB」などの文字をひし形や、四角などの箔押しで表記したものが多く、少なくとも国内ではコーリンがカラーベルト方式のさきがけと言えるのかもしれません。
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定番品としては群を抜いて入手難なこの「ピアス」。昭和30年代後半から40年代はじめは、No.500番台の試験用鉛筆など五円、十円などの廉価な商品がまだ売れていたこと、他にNo.686が普及していたことなどから本格的に定着しなかった。さらに三年後の三菱の「ハイユニ」が発売が契機で、昭和42年の「ハイピアス」発売となってしまったことも打撃だったのでしょう。
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