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@519
昭和二十年代のものです。JISは昭和二十六年からです。この年代は細い線の刻印技術が未熟だったためか、JISマークが白抜き、金抜きになっています。この状態のものを見ると二十年代と勝手に決め付けていますが、ほぼ間違いないでしょう。 「COLLEEN」が変った書体で刻印されていますが、恐らくドイツのファーバー・カステルの字体の影響でしょう。同時代の三菱鉛筆もそっくりの書体を使っていました。
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A686
昭和三十年代の代表選手。2020や9900が主力となる前のものです。金色の刻印が茶色っぽく変色して見づらいですが、同時代のブリキのミニカーなどと同じく鉛の入った顔料を使用していたせいでしょう。「にび色に変色する」なんて洒落た言い方をする人もいます。逆に戦前ものの鉛筆は、光沢は無いですが鮮やかで変色が少ないです。これを見ると私は勝手に昭和サーティーズだと思っています。アメリカ等で日本の輸出したブリキ製品の塗装の鉛含有が問題となりそれ以降の塗装が変りましたが鉛筆も似たような状況ではなかったでしょうか。「鉛筆なめなめ、考える」なんてのもありますから健康問題になってもおかしくないと思います。
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B151・C3133
昭和三十年代から四十年代によく見られる塗り方です。150・784も151と同じデザインですね。三菱の9310も酷似したデザインです。コーリンって三菱とそっくりなデザインが多いんです。3133は、いわゆるハイピアスなどが出てきた後のものですね。
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D5050
昭和42年発売の「ハイピアス」。今でも、ある年代以前の方には印象深い鉛筆だと思います。昭和33年に三菱鉛筆のヒット商品「ユニ」が発売になり、前年の41年に「ハイユニ」が発売になったので、明らかに意識してると思います(笑)。現在も存続するタイのコーリン鉛筆さんは青い鉛筆(3030)を扱っていますが、こちらはステッドラーを意識していると思います。「ハイピアス」のセットの特徴は紙巻消しゴムが入っている事ですね。日本で初めて紙巻消しゴムを作ったメーカーとしての誇りが表れています。昭和50年にはまだ、コアと併売されていた模様。
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E3030
これは「ピアス」という名の鉛筆で、ハイピアスの廉価版です。デザインも頭付けが無い以外はそっくりです。現在もこれが残っているお店が極端に少ない所を見ると、同社の他の安い鉛筆と併売になったため「ハイピアス」ほど普及しなかったのでしょう。品番の最初の「5」とか「3」という数字は当初一本の価格帯「50円」、「30円」という意味ではないかと思います。
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F5550
これは「コア」という名の鉛筆で、ハイピアスが伝統的な高級品と例えれば、これは更に科学的で機能的に進化した高級品という位置づけでしょう。昭和50年に「新発売」の広告が出ています。当初の価格は一ダース600円。新発売の頃には鴎のデザインの「バランスジャック」が付録として同梱されていました。天井から吊るす「モビール」みたいなものです。ハイピアスと違って色々なデザインのものが出ています。
ハイピアス廃番後に「5050」に品番変更になる。ノーマル仕様は「5050-SD」とスタンダード仕様を名乗っているのでキャラクターものなどいくつかの種類が後期まで存在していたと思われる。顔が左を向いた新ロゴ仕様も存在するが希少。写真でしか見た事がない。平成8年当時の価格は一ダース720円。硬度は2Hから2Bまでの6硬度。はじめはステッドラーのように青い鉛筆だったが、昭和55年のカタログではスタビロ8000のように赤い軸に変っている。クレームでも付いたのだろうか?。
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GコアG
これは「コア」の新しいグレード。下の7070とそっくりで、ぱっと見で違いが分からない。恐らく、途中から品名変更したものではないかと思われる。軸尾の金ラインが二本あり、コアよりも上位の位置づけである。1996年当時の販売価格は一ダース1080円。四桁数字の品番は無く、カタログ上も「コアG」となっている。顔が左向きの新ロゴバージョンがあるが、現物は見たことが無い。硬度は4Hから4Bの10硬度。
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H7070(コア70)
これも「コア」の新しいグレードです。一ダースセットは、ハイピアスの箱のふたを透明化したようなケースに入っています。同梱の消しゴムはトンボのモノ消しゴムのように紙巻では無くなっています。一本が70円と言う記録が残っているので上の「コアG」の当初の販売形態ではないかと私は考えている(昭和55年のカタログにはコアGではなくコア70が掲載されている)。当ホームページの「什器」で紹介しているが専用のアクリル什器が存在した。硬度は4Hから4Bの10硬度。
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I2020
昭和30年代の後半から40年代初頭のものではないかと思います。この頃のコーリン鉛筆は塗りの鮮やかさや艶が際立っていた。2110なども同じ雰囲気を持っています。メイト(Mate)という愛称を持っていたようです。なんとなく、濃い目のマスカラにパーマ、かわいらしいブーツ・・・そんな昭和中期の女性に似合うようなメルヘン調と言うのか独特の雰囲気です。これは緑ですが、2110の真っ赤な軸色が強烈に印象に残っている。3110という丸軸のものもありました。
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J2020
上の2020と同じ型番ですが、頭付けが無いので少し後の年代と思います。同時に同じ型番が存在したとは考えにくいからです。下の3030よりは古い時代に出回っていたイメージがある。
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K3030
コーリン鉛筆の商品を文具店に探しに行った時、一番よく見つかる鉛筆です。倒産時まで間違いなく製造されていました。2020に頭付けしただけというものです。2020よりは緑色に赤味が少ないですかね。でもこれ、製造していたのが直営か、どの協力工場(下請け)かによっても色合いや刻印が微妙に違うんです。旧ロゴですので、商品の回転の良いお店にはなかなか残っていないタイプです。(昭和55年のカタログには旧ロゴで掲載。)
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L3030
上の3030と同じですが、新ロゴに変っています。こういう変化もコレクションの楽しみとなります。お店で僅かに生き残っている3030の中ではこのタイプが主流です。平成8年当時の価格は一ダース、600円。硬度は4Hから4Bまでの10硬度。
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M3030
更に抗菌ブームに乗って「抗菌仕上げ」となった3030です。
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N9900
朱赤の8600等と並んでロングセラー、コーリンの定番だった鉛筆の中の一つです。3030程ではないですが2020と並んで、古いお店ではよく見かける鉛筆です。グレード的には2020や3030の下の廉価版で昭和50年現在は一ダース240円。平成8年には一ダース480円。
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O9900
同じく9900番ですが、新ロゴになっています。このタイプはほとんど見かけないが、カタログ上は平成8年まで存在していた。同年のカタログによると硬度は2H・H・F・HB・B・2Bの六種類。
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9900(初期)
9900番。上の画像は一本の値段が20円の時代のもの(箱の価格表示による)。写真にははっきり写っていませんが、製造所の刻印も大きく、昭和20年代末から30年代初頭を思わせる雰囲気になっている。686と平行して販売されていたかもしれない。写真は6Hのもので、発売当初はハイピアス同様、広範囲な硬度が製造されていたことをうかがわせる。
トンボ鉛筆でも濃い(暗い?)緑色で9900番と言う鉛筆を発売していたことがある。
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